「お鷹ぽっぽ」に代表される「笹野一刀彫」の”匠”「戸田寒風」さんへ会いに行ってきたんだっす!「パート1」 2015.2.6
おきたま地区の昔からの工芸品といえば、あの「お鷹ぽっぽ」で有名な米沢市笹野地区の「笹野一刀彫」!!
今回は、その代表的な職人の六代目「戸田寒風」さんに、「笹野一刀彫」の歴史やら、そのほかいろんな話しを聞いてきたんだっす。
かんなり深~い話を聞いで来たがら、少しばっかり長編になったなっす!
職人「戸田寒風」さんのお店
元祖 笹野一刀彫「鷹山」↓
この方が「笹野一刀彫」の実演販売もされる
六代目「戸田寒風」さん↓

おきたま新聞
どうもっすー! 忙しいところ申し訳ねえげんども、「笹野一刀彫」の事を教ぇてほしくてお邪魔させてもらったんだけっす。よろしくお願いだっす。
戸田寒風
それはそれは、ご苦労様です。どうぞこちらへおかけ下さい。まずはお茶でもどうぞ! (タバコを吸いながらニコニコと迎えてけっちゃんだっす。)
ホントは禁煙らしい・・・
おきたま新聞(編集長)
いやあー!始めてお会いするもんで緊張して来たんだげんども、まんず寒風さんが気さくな雰囲気の方でいがったっす。(よかったです)。
おきたま新聞(ジミー)
それに、タバコも吸わせてもらえるなんて最高だなっし!! 編集長!俺たちもタバコ吸いながら取材させてもらうべっし!
おきたま新聞(編集長)
ジミー!! まったく! お前は、遠慮とか緊張とか礼儀とか知らねえのが!! 寒風さん! 申し訳ねえなっす。
おきたま新聞(ジミー)
あいやー!? 人にそんなこと言ってるそばから編集長はちゃっかりタバコ吸ってるんだもんなあ(笑)
ちょっとだけ若い頃の寒風さんは渋さを持った「イケメン」だったんだなっし!!
戸田寒風
なかなか楽しいお二人ですねえ(笑) ところで、今日は何からお話すればいいんでしょうか?
おきたま新聞(編集長)
ああ! はいはい! お聞きしたいことは沢山あるんだげんども・・・、名前がちょっと気になって、「六代目戸田寒風」とあるんだげんども、代々名前を襲名してやったんがっす?
戸田寒風 (またまたタバコを取り出しながら・・・)
いやいや!
「寒風」は山伏の名前なんですよ。
本名は「かずお」なんですが、近所に「笹野一刀彫」を作っておられる同姓同名の方がいたので、なにかと不便だったものですから山伏の名前にしたんですよ。
おきたま新聞(編集長)
あらら!? 「寒風」さんは山伏だったんがっす?
戸田寒風
はい! 私が高校を出てまもなくの頃に、ここの笹野観音十七堂祭(ささのかんのんじゅうしちどうさい)で「火渡り行」を始めたんです。その時に山伏になったんですよ! それまでの笹野観音十七堂祭では「餅まき」をしていたんですが、正月に餅は食べ飽きてますからねえ!(笑) 人はなかなか集まらなかったんですよ。
おきたま新聞(編集長)
そうだったんがっす。ところで、「笹野一刀彫」に使われている木は、自分で切ってくんながっす?何の木使ってらんやっす?
戸田寒風
一刀彫に使う木は「こしあぶら」とか「えんじゅ」の木です。
前年のうちに自分で近隣の山へ行って切ってきます。それを十分乾燥させてから使います。「こしあぶら」には「男木」(オス木)と「女木」(メス木)があって、(メス木)のほうが柔らかいので彫り易いですねえ。
おきたま新聞(ジミー)
ナニ!?ナニ!? 「オス」と「メス」ってなんだっし?
おきたま新聞(編集長)
これこれ! まったくジミーはこういう話になるとすぐに入ってくるずなえ(笑)
戸田寒風
アハハハ!! 「オス木」「メス木」なんて言い方は自分達で勝手に言ってるんですけどね。「オス木」は葉が小さくて秋遅くまで葉がついてます。日当たりの良い場所の「こしあぶら」はほとんどが「オス木」ですね。基本的に「メスのこしあぶら」は日陰で育つんですよ。(笑)
槐(えんじゅ)の木は昔から魔除け、鬼門除けとして、また、幸福を呼ぶ木と言われて床柱に使われていました。
(寒風さんが「えんじゅ」の木で「お鷹ぽっぽ」を最初に手がけたんだと!)
左奥の木肌が白い「お鷹ぽっぷ」が「こしあぶら」の木で、右手前が「えんじゅ」の木の「お鷹ぽっぽ」↓
おきたま新聞(編集長)
寒風さん! それでは、「お鷹ぽっぽ」を彫っているところを見せてもらっていいがっす!? 彫りながらさまざまお話しを教えておごえっす。
戸田寒風
はい!! わかりました。それでは実演しましょう。
(使われている道具の「セン」・「チジレ」・「サルキリ」など↓)
わがまま言って「こしあぶら」の木で「お鷹ぽっぽ」を彫ってもらうことにしたんだっす。
まずは、「セン」という道具で「こしあぶら」の木の皮を剥きます。↓
次に、「サルキリ」を使って、頭の部分を削りだして・・・・。↓
いや~この「サルキリ」の切れ味がすんばらしぇんだっす!
この切れ味がジミーさあったら・・・ま、いいや
はい!! 出来上がり!!! ↓
(このあと絵付けします。)
ちなみに「お鷹ぽっぽ」の「ぽっぽ」とはアイヌ語で「玩具」のことだそうで、笹野地区でも昔々は、「玩具彫り」と言ってらったんだど!
おきたま新聞(編集長)
寒風さん、どれくらい修行したらこれほど彫り上げることができるんだべが? それと一番難しいところはどこなんだっす?
戸田寒風
自分は、小学5年生の時から親の手伝いでやってきましたが、修行期間なんて人それぞれですよ。一番難しい所と言われれば、大きい物を彫るときの尾っぽの部分が大変かなあ。
でも今では、どこが難しいのかもわからなくなったなあ!!
おきたま新聞
うーん!
”匠”ならではの言葉だなっす~!
このあと、手習いで彫る一刀彫の基本から、「笹野彫り」のルーツ、そしてちょっと変わった「彫り物」とかも発見!ここに至るまでのエピソードどが、いろいろ寒風さんに教えてもらったんだげんど、一回で書ききんにぇがら・・・
その紹介は2月10日投稿の「パート2」で紹介すっからなっす。楽しみにしてておごえなぁ!
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【元祖 笹野一刀彫 鷹山】
住 所 山形県米沢市笹野本町6798
電 話 0238-38-3200 FAX 0238-38-3844
詳細は以下のURLで確認して下さい。
http://www.kanpu.net/
