おきたま新聞は山形置賜の粋な情報を発信するWEBマガジンです。

日本酒の仕込みの時期になったので地元の「酒蔵」めぐりをしたんだっす!【no.1】

置賜の3市5町には全てに「酒蔵」があって、全部で18件もあるんだっす。酒好きのおきたま新聞としてはなんとしても全ての「酒蔵」を取材すんなねべ!

「おきたまの酒蔵めぐり」

※のんべいの編集長が企画

トップバッターは、なんと

300年ほど前(元禄時代1704年)

から酒づくりを始めて、上杉米沢藩御用酒蔵としての歴史を持つ

「米鶴酒造」

さんへ取材に行ってきたんだっす!!

まずは社長と杜氏さんを紹介すっから!

右の方が12代目社長の「梅津陽一郎」さん 左の方が、杜氏で常務取締役の「須貝智」さんだっす!

「新酒ができたぞー!」

のしるし

「杉玉」

が吊るされて・・・雰囲気あるなあ。

おきたま新聞
本日は宜しくめんどしてごえっす!

梅津社長
ジミーさん!先日の

上長井の会

ではお世話様でしたね(笑)

(そうなんです。ジミーは「上長井の会」(12月9日の記事)で、ちゃっかり梅津社長と須貝常務に同席させてもらってたんだっす。)

ジミー
あっ!いやー!こちらこそ大変お世話になって~、まんず酒が旨すぎて飲みすぎだけっし!!(汗”)

編集長
取材さ行ったんだが、酒ごっつぉうなりさ行ったんだがわがんねな!! 梅津社長、ジミーがなにか ぶじょほ(失礼)しねがったべが?

梅津社長
いえいえ! 大変楽しいお酒飲みをご一緒させて頂きました。(ニコニコ)

編集長
んだがっす!まずはホッとしたっす。まんず! ジミーの酒飲みは、やがましぇくて(うるさくて)困ってんなだっす!

ジミー
俺の酒飲みは編集長にそっくりだと言われてるんだげんどなあ!(笑い)

編集長
んだば! 真面目にインタビューさせておごえなっす。大変、歴史のある「米鶴酒造」さんだげんども、名前の由来とか12代目社長の酒づくりへの想いとかを聞かせておごえ!

梅津社長

「米鶴」

という銘柄は、お辞儀をするように豊かに実った稲穂と、地元に伝わる民話「鶴の恩返し」にちなんで名づけられたものです。常に感謝の気持ちを忘れずに、

誠心誠意を尽くした酒でありたい

との願いが込められています。

「米鶴」は、初代が掲げた「品質重視」を酒造理念として、300年来「いい酒」を追求してきました。醸造技術の向上、設備の充実、そして、原料の「米」です。蔵人を含む地元農家で「高畠町酒米研究会」を組織して、酒造好適米を自主栽培し、

「地元産の良い米による良い酒造り」

を進めてきました。その結果、幻の名品種「亀の尾」から選抜育種を重ね異変種を育成した、この地の風土に適したオリジナル米「亀粋」(きっすい)が開発されました。(この米を使った同名の酒<亀粋>は口当たりの柔らかな純米大吟醸として商品化されています。)

目指すのは、「さわやかさ」があって、「香り、味、切れ」が高い次元でバランスのとれている酒。蔵の伝統や経験、そして常に先進の技術を融合させながら、さらなる高みに向かいたいと思っています。

まあ!!固い話はこれまでにして、蔵の中は須貝常務に案内してもらって下さい。

おきたま新聞
梅津社長、おしょうしなっす! (生まれ育ちが違うと話も高尚だなあ!)
須貝常務!んだらば!蔵の中を案内しておごえ!

須貝
それでは、酒造りの工程を順を追って説明していきましょう! 酒米は地元の

高畠産米

です。

須貝
これは「出羽きらり」の65%!(玄米を35%精米で削る)↓ ここで蒸します。午前中は仕込みで、午後からは明日の仕込みの米の洗米をします。

須貝
食べてみますか?

編集長
どれどれ...おー甘みがあるなっす!おいジミーほらっ

ジミー
いただきま~す

編集長
食うんでねぇー!写真撮れって言ってらんだ!

ジミー
ちぇっ

 蒸した米をこれで冷やす↓

須貝
蒸かした米を冷やすとこんなふうにバリバリになります。↓これは「かけ米」なので直接タンクにはいります。麹は温かいうちに「ムロ」に運びます。

 須貝
このタンク ↓ に先程の米がはいります。7℃位で仕込みたいので、温度調節のため、あたたかい蒸し米を入れたりもします。
(ちなみにタンクに巻かれてある黒いシート状のものは、冷水が循環するようになっていて温度を下げる時に使うんだど。今日は寒いので逆にマットを巻いてあまり冷えすぎないようにしったんだっす。)

こんだけの酒は俺でも飲みきんにぇなっす! 

これは、米の重量を計る「秤」↓
この重量換算が酒造りには結構大事なんだど。

須貝

実は、米の洗いが酒造りの最大のポイントなんです。

米にどれほど水分を吸わせるかが大事なんです。品種によって水分の吸い方はまったく違うので、この秤で計って米がどれほど水分を含んだのかを確認するんです。私たちが食べるご飯もいくら旨い「つや姫」でも炊く時の水分を間違えるととんでもないことになるでしょう!まったくそれと同じなんです。

おきたま新聞
うーん!! なるほどなあ!  勉強になるなっす!!

 

須貝
それから、これは

「甘酒」

を造ってます。

 おきたま新聞
えっー? 「焼酎」造ってたのは知ってたげんども、「甘酒」まで造ってたんがっす?どれどれ~

須貝
いやいや! 「甘酒」を商品で造ってるのでありません。この「甘酒」はもろみに添加するんです。そうすると

甘いお酒

になるんですよ。なので

甘いお酒を造るほうが手間がかかるんですよ

おきたま新聞
うーん!? ほー!こだわって造ってるんだなっす。

須貝
これが昨日仕込んだものです。

須貝

香りがあるでしょう!!

「りんご」とか「バナナ」に似た感じの香りがします。無味無臭のお米から香りのあるものに変わってくる!まさしく「日本酒造り」の面白いところですねえ。

これを明日は「親タンク」へ移してまた、仕込むんです。お酒は

「段仕込み」

ですから小さなタンクで「酒母」(しゅぼ)を造るまでに2週間、大きなタンクで本仕込みは20日~25日ほどかかります。ですが

原料の米作りから考えればまるっきり1年前には始まっているんですよ。

来年の作付けについては「酒米研究会」とすでに話し合いを済ませています。

おきたま新聞

原料の米作りから始まる「酒造り」かあー!!  ロマンを感じる一言だなあー。

 

 

酒造りの奥深さはこれからまだまだ続くので、こっから先は次回へ繰越だっす~。

「米鶴酒造」第2部をこうご期待!!(12月26日予定)

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